私は仕事柄、様々な分野におけるクリエーター、アーティストを目指している学生さんと良く話をします。


映画やテレビ番組の制作をしたい、小説を書いてみたい、等の相談を受ける時、私は詩人リルケの言葉を思い出します。



若き詩人への手紙・若き女性への手紙
リルケ 高安 国世
新潮社
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p.14
自らの内へおはいりなさい。あなたが書かずにいられない根拠を深く探ってください。それがあなたの最も深い所に根を張っているかどうかをしらべてごらんなさい。もしもあなたが書くことを止められたら、死ななければならないかどうか、自分自身に告白してください。(略)そして、もしこの答えが肯定的であるならば、もしあなたが力強い単純な一言、「私は書かなけれ
ばならぬ」をもって、あの真剣な問いに答えることができるならば、そのときはあなたの生涯をこの必然に従って打ちたててください。



p.16
必然から生まれるときに、芸術作品はよいのです。(略)自らの内へお入りなさい。そしてあなたの生命が湧き出てくるところの深い底をおさぐりなさい。その源泉にのみ、あなたが、あなたが創作せずにいられないかどうかの答えを見いだされるでしょう。


「書くことを止められたら、死ななければならないかどうか」とは厳しい問いですが、やはり芸術作品には「必然性」が不可欠だと思います。なんとなく何か映画を作りたいとか、なんとなく小説でも書いてみたい、というレベルの気持ちでは、一流のプロにはなれないと思います。


自分の中に、どうしても表現しなくては生きていけないようなものをかかえていて、それを表現して他者に伝えることに意義を感じるのであれば、そしてそのような創作行為をすることが自分に課された使命(ミッション)であると感じるのであれば、クリエーターになるべく自ら積極的に創作活動を始めるべきだと思います。


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