のんびりとした昼下がり、
風太郎と風子が縁側でお茶を飲みながら・・・
★この話は、基本的にフィクションです。(笑)
風子 : あれ、どっちが東でどっちが西だっけ?
風太郎: ・・・<しばし呆れた後に>・・・
目の前に世界地図があると仮定してごらん。
上が北で、下が南。
風子 : あ、ということはこっち(と左側を指差して)が東か。
風太郎: !? 違うよ、何言ってんだよ。アホか?
こっち(と右側を指して)が東!
風子 : ・・・でも、こっち(と左側を指して)にずっと、
ずっと進んだら、いつかは東(と右側を指して)に
着くじゃん!
風太郎: <爆笑> お前はマゼランか!
風子 : <冷静に>・・・マゼランって誰?
風太郎: ・・・
とんでもないボケ(天然?)に、「お前はマゼランか!」と
ナイスな(自我自賛)突っ込みをいれたのに、相手がマゼランを
知らなけりゃ笑いになりませんよね。「欧米か!」より面白いと
思うんだけどなあ。ははは。
・・・いや、待てぞ。この会話、結構深いぞ。
風子の発言は、ひょっとしたら相当鋭いかもしれない。
とんでもないボケどころか、もの凄い洞察力を含んでいる
発言なのかもしれない・・・
<ワンポイント世界史講座>
マゼランは、「ヨーロッパから西へずっと進んでいくと
地の果てに落ちてしまう」、という考え方が残っていた時代に
敢然と西へ西へと進み、初めてヨーロッパから西回りで太平洋に到達し、
途上で戦死したが、残された艦隊が史上初めての世界一周を達成した。
風子はマゼランのことを知らなかったわけですが、
「ずっと西へ西へと行けば、いつかは東へ着くでしょ!」
という発想は面白い。鋭い。この発言をきっかけに、
いろんなことを考えました。
私達日本人の中には、日本や太平洋が中心にある世界地図
に慣れすぎてしまい、ヨーロッパ人やアメリカ人が使っている、
ヨーロッパが中心にある世界地図
を意識して「世界を考える」ことができない人が
意外と多いのではないでしょうか。
西洋人は、日本周辺地域(東アジア)のことを
"Far East" (極東、東の果て)と呼ぶことがあります。
これは、ヨーロッパ中心の世界地図をイメージすれば
「日本が東の果てにある」ことから生まれた呼称です。
ラジオのAM810は、かつて"Far East Network / FEN)"と
呼ばれていましたよね。(現在は"Armed Forced Network"
/AFNと呼ばれている。)
また、"Middle East"(中東)という呼び方も、
ヨーロッパから見れば「極東地域よりは手前にある東」
に位置するからです。
このように、地域の名称が如何にヨーロッパ中心の視点に
基づいているかをしっかりと認識することは、特に英語や
留学に興味がある方には重要だと風太郎は考えます。
このような「複眼的な視点」を持つ努力を是非してほしい。
さらに言うと(今日は長い・・・失礼)
世界地図では、なんで北が上で南が下なのか?
宇宙の仕組みを考えれば、南北どちらが上でも
良いはずなのに。
答え
北半球の方に人間がたくさんいるからです。(笑)
もっと正確に言えば、先進国の多くが北半球にあるから。
歴史的に言えば、最初に近代化したヨーロッパがたまたま
北半球に存在するから。
オーストラリアに住んでいた時に、こんなジョークを
聞きました。
「ある日本人がさあ、格安の南向き物件があると聞いて
即断で購入を決めたんだって。」
これだけで十分ジョークになっています。
南半球では、太陽は北にある!!
「北向き」の物件が日当たりが良いわけです。
●オーストラリアでよく見かける、南北逆転の世界地図
http://odtmaps.com/detail.asp_Q_product_id_E_McA-23x35_A_Contents_E_TAB5
良く見ると、この地図のタイトルの一部に"Corrective Map"
(誤りを修正した地図)書かれています。「北が上なのは
間違いだ!」というわけですね。面白い!
ご存知の方も多いと思いますが、この「南北逆転」の世界地図は
オーストラリアのお土産屋さんでよく売られています。
●オーストラリア旅行記
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