河合隼雄先生は「学者」というより「賢者」でした。
今朝の朝日新聞の追悼文を書かれた中沢新一氏(素晴らしい人選!)も


日本にほとんどいなくなった賢者でした。
日本人の魂というものが危機に陥っていると認識し救おうとした


とコメントされています。



中沢氏にも同様のことが言えますが、
河合先生は「知恵の人」「賢者」でした。



「学問的にどうこう」等の、狭い視点だけではなく、
(もちろん優秀な学者でもありました、念のため)
自分の目を見開いて、しっかりと「時代」を見つめて
いました。そして、時代にそぐわない発言は、「時代が
河合先生の考えに追いつくまで」じっと控えていました。



「学者」という狭いカテゴリーをはみ出していたので
「学問」の世界ではかならずしも評価が高い方では
なかったような気がします。でもご本人はそんなこと
ちいとも気にしていなかったはず。


河合先生は、よくつぶやいていらっしゃいました。
「日本のことを、しっかりと英語で世界に伝えなくては
いけない。私はまだまだ力が足りない。」


耳が(目が?)痛いです。
微力ですが、私も日本ことを英語でしっかりと語れるように
なりたいと思っています。私は通訳ガイドや英検1級の資格を
持っていますが、「日本のことを英語で伝えられる検定」が
もし存在すれば、まったくの圏外です。「日本のことを英語で
しっかりと」となると、たとえば、神道の神のことを「God」
等と訳しているだけでは、ほとんど意味がない。。



河合先生、私たち後輩のために、いろいろと貴重な財産を残して
下さり、ありがとうございました。微力ながら、河合先生のお仕事を
継承して頑張ります。



合掌



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