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たとえば、このような論証があったとします。


論証1


<根拠>
今日は雨が降った。


<結論>
だから、明日も雨が降るであろう。



よく考えてみると、結論で述べられている「明日」という情報は
根拠の中にはありません。つまり、「根拠はAだ。だから、結論は
Bだ。」という形の論証になっています。



p.24
論証とは、このように前提となる根拠から、ある飛躍をして推論
した結果を、結論して述べることにほかなりません。もともと根拠Aに
含まれない新しい何かを引き出しているという意味で、論証とは
危なっかしいものなのです。



根拠と結論の間には、原則として飛躍があります。たとえば、



論証2


<根拠>
一郎は東大に行って、優秀な弁護士になった。


<結論>
たから、二郎、お前も東大に行って優秀な弁護士になりなさい。


この論証2における飛躍は「A:一郎 B:二郎」です。本来は、一郎に
当てはまったことが二郎にも当てはまるとは限りません。2人の間に
能力、価値観、性格等の違いがあり、仮に二郎が東大に行っても、
結果的に優秀な弁護士にはなれないかもしれませんよね? なのに、
この論証2は「一郎に当てはまることは、二郎にも当てはまる」と
いう論理の飛躍を起しています。


論証2における著者の「論理の飛躍」は「一郎=二郎」(一郎に起きたことは
二郎にも起きる)です。このように、事情が異なるかもしれない2つの事象を
勝手に「=」(イコール)でつなぐ「飛躍」のことを、GMATでは"analogy
assumption
"と呼びます。


実は、論証1も、「今日=明日」(今日起きたことは明日も起こる)
というanalogy assumptionに基づいています。



もし、このような飛躍を避けたければ


論証3


<根拠>
私の言うことは正しい。


<結論>
だから、私の言うことは正しい。


のように、飛躍の全くない論証をするしかありません。つまり
「根拠A,だから結論A」という論証ですね。そして、この
論証は確かに正しいです。だって飛躍がないんですから。



p.25
ここでは「根拠A,だから結論A」と言っているのです。これを
同語反復とか、トートロジー(風太郎注:tautology)と言います。
結論は正しいのですが、この論証には、一見してわかるとおり、
まったく生産性がありません。



根拠に含まれない内容を、結論で述べる論証には、結論が必ずしも
正しいとは限らないという不安定性があります。でも、トートロジー
を使うだけでは、何も話が発展しません。そこで、「あまり距離の
大きすぎない、適度な飛躍」(p.25)を使って、発展性のある思考を
実現しようとするのが、正しい論証なのです。




GMATの教え


根拠(premise)と結論(conclusion)との間の飛躍に注目しよう!


意見を述べる時は、「適度な飛躍」を活用しよう!



・・・続く。



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