上岡龍太郎氏がテレビ画面から消えて(引退して)数年が経ちます。
理不尽な内容やコメントがあると、憤然と反論したり、あるいは
番組の途中で嫌気が差して帰ってしまったり(笑)と、テレビに
とってなくてはならない存在でした。問題発言も多かったし、
やや考え方が極端だったとは思いますが、それでも今のテレビには
上岡さんのような「正論」を語る人が必要なのではないか。
↓上岡さん、番組中に帰る(笑)↓
↓上岡さん、テレビ関係者を叱る(きっぱり)↓
上岡氏はこう述べています。
「同じ条件で同じ車で同じ条件のところで撮った
結果(幽霊が)出なかった。それと比べてどうです、
というのだったら分かるけど。」
見事な分析、ロジカルな反論です。
Aという現象がBという結果を起こすかどうかを
検証する場合(A⇒Bという因果関係が成立するか
否かを検証する場合)
① A ⇒ B (Aが起きてBが起きるケース)
と
② A ⇒ B× (Aが起きてBが起きないケース)
の両方をしっかりと検証し、たとえばその結果として
「①のケースが100回で、②のケースが1回」
等のように、大きく差がある場合は「A⇒B」という
仮説が補強されるが、
「①のケースが100回で、②のケースが100回」
等のように、①と②のケースが同じ頻度でおこるので
あれば、「A⇒B」という因果関係があるとは言えない。
このような検証をはっきりした上で、幽霊の存在等
という難しい命題については扱うべきである、と
上岡氏は合理的な批判をしているわけです。
ところが、多くの場合、エセ科学者は、自分に都合の
良い「A⇒B」というデータのみを集めて
(「A⇒B×」という都合の悪いデータを無視して)
いかにも根拠があるフリ、科学的なフリをする場合がある。
昔、留学に必要な某試験のリスニングの会話の中で、
女子学生が「実験で出たデータが、私の仮説に合わないの。
実験をやり直さなくちゃいけないわ。あーあ。」みたいな
内容が出題されたことがあり、ぞっとしたことがあります。
仮説に合わないデータが出たならば、その仮説を疑って
かかるのが科学的な態度ではないのか?
ため息。合掌。