哲学に興味をもつようになったきっかけ

「哲学は理性で書かれた詩である」 開高健


友達がいなかった小学校時代の私は、日曜日に一人で書店へ行くのが生きがいでした。横浜は伊勢佐木長者町の有隣堂へ行き、文庫本を3冊くらい購入して読む。一番よく読んだのは星新一のショート・ショートだったと記憶しています。


ある日、迷い込んだ哲学書コーナーで一冊の本を手に取り、「人は生まれた瞬間から死へ向かって歩き出す存在なのである」というような内容の文章に遭遇して感動した(笑)記憶があります。「感動」というよりは、子供が読んではいけないものを読んでしまったような、人生の真実を垣間見てしまったような、そんな気分だったのかもしれません。


哲学は、生きづらさを感じる人や、居場所がない人が興味を持つケースが多いような気がします。私も「なんで世の中はこんなに居心地が悪いところなんだろう」という気持ちを常に持っていたので、自然と哲学や心理学に興味を持つようになっていったのでしょう。


哲学は、自分自身の人生の悩みを乗り越えるための「主観的なツール」であり、科学的な姿勢で「どの哲学が最も正しいか」と議論することは基本的には意味がないことだと私は考えます。主観的なものであるという意味で哲学は「詩」であり、自分にフィット感がある哲学、魂に響く哲学を探し当てればよいのです。自分の人生を切り開くために哲学を学ぶのであれば、著名な哲学者たちの考えを網羅的に学ぶ必要はないのです。


合掌。生かして頂いて有難う御座います。