私は1984年8月から10か月ほど、アメリカへ留学しました。16歳の時に交換留学でアメリカの高校へ通わせていただいたのです。到着翌日に、テレビでロサンゼルスオリンピックの模様をテレビで見たことを鮮明に覚えています。帰国直前にはBack To The Futureという映画の初演(!)を映画館で見たのですから、どれくらい昔の話かが分かるというものです


ふと思い立って、アメリカ留学記を書くことにしました。読むことを楽しみにしてくれている奇特な(?)友人がいることが、直接的なきっかけです。予めお断りしておきますが、暗い話が多くなること必至です。


私にとって決して楽しい思い出ではない「アメリカ留学」でしたが、英語学習からは逃げませんでした。英語力だけで言えば、渡航前の英語テストで留学プログラム同期の中でトップだったと記憶していますし、到着翌日にホストシスターから「お前は英語が上手すぎて、教えることがないからつまらない」と言わせしめました。(笑) その後、放浪の果てに25歳で消去法で英語業界へ飛び込み、今に至るまで英語を教えて禄を食んできたのですから、留学に「一定の意味」はあったのでしょう。


でも、私の親に相当する人からは「お前の留学は一切無駄だったな」と言われていました。確かに、帰国後の私は居場所も人生の希望も失い、落ちこぼれ、エリートコースから脱落をしていきました。中学3年生まではかなりの優等生ぶりを発揮していた私ですが、高校2年の後半くらいからは学校さぼりがちで、成績も留年すれすれでした。なので、学業で成功を収めることを至上の価値とみる親にとっては、私は単なる「失敗作品」であり、留学も「失敗だった」と評価されてしまったのですね。


私の留学になんらかの意味があったとすれば、それは・・・何なのだろう・・・ 上記の通り「英語」は一つの成果だったとは思うのですが、英語だけだったら留学しなくてもそれなりに身に付いていたでしょう。私の留学にはどんな意味があったのだろう。そんなことを考える機会をいただきたいのです。