GMAT SC (Sentence Correction)の過去問において、
A. In London that afforded...
という「固有名詞(London)+制限修飾語(that...)」が×なのに
B. In a London that afforded...
という、「a+固有名詞+制限修飾語」が正解になっているケースが存在します。
これは、"Londonにも色々あるじゃないか"という発想なのですね。同じロンドンでも「朝焼けのロンドン」と「夕焼けのロンドン」とが別物であるかの如く語ったり、あるいは「私(風太郎)が訪れたロンドン」と「夏目漱石が経験したロンドン」という様に、異なる時代のロンドンを「別物」と解釈すれば、"London"が固有名詞(1つしかないもの)ではなくて「一般名詞」(複数存在するもの)であると考えることができるのです。
そういう意味において、私は「私が経験したアメリカ」(In a United States that I experienced)を語りたいのです。いや、語るしかないのです。
私は1984年〜1985年のアメリカを体感しました。レーガン大統領の時代、ベトナム戦争によってアメリカが自信を失いつつも、今よりはまだ自信を持っていた時代です。そんな時代に、私は「高校生として」「ホストファミリーと一緒に」「比較的田舎の」アメリカを味わったわけで、「私が経験したアメリカ」は、たとえばMBA留学で都市部の大学の寮に住んでいた人の「アメリカ」や、会社の赴任で日本人の家族と経験した「アメリカ」とは本質的に異なる可能性があるのです。
というわけで、"In a United States that I experienced"について語っていきます。留学体験記の多くが成功体験や楽しい話に満ちている中、私にはビターでブラックなお話も多くさせていただきたいのです。