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そもそも人間は「他人は自分を理解してくれない」という覚悟の上に、長い人生を立てて行かなくてはならないのです。
「人間の基本」曽野綾子 新潮新書
ふと思い出したこと。
一年ほど前のことだと思いますが、横浜は伊勢佐木長者町の有隣堂という書店へ行きました。友達がいなかった小学生の私は、日曜日に有隣堂へ行って星新一のショートショートを買い求めるのが唯一の楽しみだった時期があります。そんな過去をを懐かしんでいると、人生論のコーナーで若い女性二人が人談義しているのが聞こえてきました。
◎◎さんはいいよね!
うん、△△さんも面白い!
あと、□□さんの本を読むと元気になる!
みたいな会話の最後に
曽野綾子だけは嫌だ!
そうそう、読んでると腹が立つ!
等と曽野綾子の悪口が聞こえてきて、私は思わず苦笑い。
曽野綾子の人生論は厳しいですからね。「究極的には人と人とはわかり合えない」という価値観をもつ私には救いを与えてくれる人なのですが。