私は若い頃から関西のテレビ番組が好きでした。「たかじんnoばぁ〜」「らくごのご」「探偵ナイトスクープ」等の番組が関東でも深夜に放映されていたので、録画して観ていました。私は横浜出身、東京在住でして、関西文化にはあまりご縁がなかったのですが、不思議と関西以西(特に関西、九州、沖縄)に強くあこがれていました。前世療法を受けると、これらの地域との縁を感じるようなビジョンが出てくることが多いですし、20代前半に初めて福岡へ行った際には「ここが私の帰る場所だ!」と興奮したくらいです。


さて、1〜2年ほど前だと思いますが、探偵ナイトスクープで近藤産興という会社のテレビCM内の歌がテーマになっていました。





「何でも貸します・・」


のはずなのに


「エサセモ貸します・・」


に聞こえるので調査してほしい!という内容でした。地元(愛知)の方には「何でも」に聞こえるのに、地方出身者には「エサセモ」と聞こえる、という興味深い内容でした。


私も最初は「えさせも」にしか聞こえなかったのに、音声のメカニズムを解説された後は「何でも」にしか聞こえなくなったのです。人間の認知は面白い!



その後、もう一度「えさせも」のはずだ!と自分に言い聞かせて聞いてみると、再び「えさせも」に聞こえてきたのに、その後まだ「何でも」に戻ってしまい今に至っています。(笑)まさに「ゲシュタルト崩壊」の世界です。


地元の人にとっては、歌詞が「何でも」だという知識(先入観)があるので「何でも」に聞こえるのに対して、このCMや企業に馴染みがない人(先入観がない人)には「えさせも」に聞こえる可能性が高い、というのが興味深い現象なのです。つまり、「先入観」や「知識」によって、音が異なって聞こえてくるのですね。構造主義やNLP(神経言語プログラミング)が教えてくれる通り、人間は世の中を「見たいように見て」「聞きたいように聞いて」「感じたいように感じて」生きているのです。


英語のリスニング力においても「母語(日本語)の干渉」によって、英語が聞こえないという現象が起きるのです。なので、ある程度の年齢(脳科学的には12歳前後と言われています)を超えてから外国語を学ぶ際には

Get up. ⇒ゲラップ
Got to go. ⇒ガラゴー

の様に、日本語音を駆使して「聞こえ方をイメージ」させる学習法に私は肯定的なのです。このようなアプローチを「邪道だ」と批判する方が私の周りにはいらっしゃいますが、現場の予備校講師としては「学問的に・・」という議論に付き合っている暇はありません。邪道だろうがなんだろうが、成果を出したい、成果を出さなくてはいけないのが私の「立場」なのです。そういう意味では私は学者に向きませんし、学者にならなかったおかげ(?)で自由な言動ができて「かえって良かった」と思うことすらあります。


このような英語リスニングの教え方は、私はハイディ矢野さんから学びました。英語のリスニングに苦労している方にはぜひお勧めしたいです。


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ハイディ矢野の 4コマ漫画で学ぶ ネイティブ発音・リスニング―これは絶対使える! 魔法の法則80