最近、ふと絶薬(絶望に効くクスリ)に手が伸びてしまいます。
うーん、ちょっと心が疲れているのかも・・・



絶望に効くクスリ 6―ONE ON ONE (6)
山田 玲司
小学館 (2006/01/05)



この第6巻では、心理学者の河合隼雄氏が登場します。

河合先生ですよ、河合先生!! 


大学者にして、「ウソつきクラブ会長」の河合先生!



なんったって、対談の手出しがこんな感じ!


p.10
河合:ほうほう・・・ ヤングサンデーねー。
    オールドサンデーじゃないんだ。

山田:え? はあ・・・

河合:「オールドパー」って酒があるでしょ?
    あれ日本語にすると何かわかる?

山田:は?

河合:老人性痴呆!



<風太郎の感想>

・・・なんとブラックなギャグ!


河合先生は「マジメも休み休み言え!」
という名言も残していますが、心の健康を考えると
ユーモアや適度にウソをつくことが非常に大切です。



p.22
河合:ある意味では、人間生まれてきたってことは病んでいる。


山田:つまり、「人は皆、病人」だと!


河合:そういうふうに言うたらええ。


山田:「正常」と「異常」とかの差も・・・もしかしたら・・・


河合:ほとんど変わらない程度の差やろ。


山田:大切な人が心の病気の時は、どうしたらいいんでしょうか。


河合:「頑張れ」とかは言うたらあきまません。
    ただ黙ってそばにおるだけです・・・
    
    その人がサナギになっているなら、ただ待ってあげたら
    いいわけですね。
    そう、無理にサナギをこじ開けようとしたらアカン。

    
    下手な人ほど相手の世界の外から物言うて、
    「自分流」に絡め取って楽になりたがるんですよ・・・

    そしたら相手は余計に苦しくなる・・・
    黙って聞いてあげることです。


山田:わかってなくても救ってあげられるんですね・・・
   (目を輝かせながら・・・マンガですから!)


河合:原因なんか追究せんでも、救うことはできますからね。



<風太郎の感想>


苦しんでいる人には「アドバイス」をするよりも、
まずはじっくりと話を聴いてあげる。


これが、カウンセリングの基本中の基本です。


また、カウンセラーは「クライエントの心をしっかり理解
しなくてはカウンセリングは成立しない」という考え方も
半分正しいけど、半分間違いです。もちろん、カウンセラーは
ある程度人間全般や目の前にいるクライエントとの心の
動きを理解しなくてはならない。しかし、ある程度以上の
ことになると、誰にも理解できない領域にさしかかる。
そのような時、カウンセラーはクライエントの心にしっかりと
寄り添い、傾聴(良く聴くことです)するしかない。
そうすると、クライエントが自分自身の力で力を取り戻していく
ことがあります。


分析ばかりしないで「そっと見守る」「話をじっくり聴く」ことも、
カウンセラーにとって大切なのです。


カウンセリングに興味がある方、入門書として
是非この本をお読みください!


そして、もし河合先生の考え方に共感できたら、2冊目として



こころの処方箋
こころの処方箋
posted with amazlet on 06.08.17
河合 隼雄
新潮社 (1998/05)
売り上げランキング: 3,246



をお奨めします。


河合先生万歳!
ウソつき万歳!! (^o^)


人気blogランキングへ