新聞で、「遠藤周作、没後10年」の記事を読みました。
10年! もう10年!!・・・ 早い! (呆然)
敬虔なカトリック信者でありつつ、「狐狸庵(こりあん)先生」の
別名でユーモアたっぷりのエッセイを書かれた遠藤先生。
自分の中に大きな問題やテーマを抱えているからこそ、バカなことを
言ったり、ハメをはずしたりしてバランスをとる・・・ これは
大切な処世術、いや大切な人生哲学だと思います。河合隼雄先生も
ホラばかりふいているのは、深刻で絶望的な状況と対処するために
バランスをとっているのだ、という趣旨の発言をされています。
遠藤先生は「マイナスはプラスに転ずる」という言葉で、
挫折だらけの私を何度となく救ってくださいました。
相棒のマイケルに教えてもらった、
"When life gives you lemons, make lemonade."
という名言にも通じる、人生肯定のメッセージだと思います。
感謝。 合掌。
・・・年をとるにつれ、多少の経験を重ねるにつれて
私にも人生や人間についてわずかながら理解するものがあった。
それは我々の人生で一時的にはマイナスにみえるもの
(挫折、病気、失敗)にも必ずプラスとなる可能性があり、
その可能性を見つけて具現化さえすれば、過去のマイナスも
いつかはプラスに転ずるということだった。
「年々歳々」 遠藤周作 PHP p.168