先日の記事「お前はマゼランか!?」に、いろんな方から
反応をいただきました。ありがとうございました。
Tsugumaさんからは、以下のコメントをいただきました。
ヨーロッパ中心の世界地図のはなしを読んでいて、ふと、
日付変更線のことが気になりました。
ヨーロッパ中心の世界地図では地図の端が日付変更線で、
それをアジア中心に書き直したとき歪みが生じた。
そのためアジア中心の世界地図では日付変更線が真っ直ぐでは
ないのでは…と思いました。
なるほど。「北が上で南が下」である必然性がないのと同様、
日付変更線が太平洋の中心にあることにも、必然性はないわけ
ですね。確かに。では、なぜ日付変更線は太平洋上にあるのだろう？
専門分野ではないのですが、私が分かる範囲、調べた範囲でお答え
してみます。（お詳しい方、事実誤認があったらご指摘いただけ
ないでしょうか。）
フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』より抜粋
マゼランの世界一周の航海のときに、日付の矛盾が発覚した。
乗組員がスペインに降り立ったとき、彼らが記録していた日付と
スペインの日付が1日ずれていた。そして、乗組員たちは、自分
たちの日付が正しいと主張した。このときには大騒ぎになり、
ローマ教皇のところに使者が出される事態にまで発展した。この矛盾は現在では容易に説明がつく。つまり、マゼラン一行は
地球の自転とは逆向きに世界を1周したのだから、地球が自転した
回数よりも彼らが地球のまわりを回転した回数が1周少ないはずである。
つまり、彼らが見た日の出の回数は、スペインにとどまっていた人々が
見た回数より1回少なくなる。
なるほど、なるほど！
マゼラン達は、西回り（地球の自転の向きとは逆方向）で地球を一周
したので、スペインに戻った時、マゼラン一行と一般スペイン人との
間で、日にちが一日ずれてしまったわけですね。
うーん、面白い！
私は「ひたすら暗記」の歴史教育を受けてしまったため、歴史はずっと
苦手科目でした。このような「考える歴史」を学んでいたら、
もっとしっかりと歴史を勉強しただろなあ。今からでも遅くない。
歴史をちゃんと勉強するぞ！！
さて、本題の続き。
地球を一周すると日付が一日ずれてしまうことが判明したため、
世界のどこかの地点を「世界標準時」と定め、そしてその地点の
真裏（地球の反対側）を「日付変更線」と定めることになった
わけです。
そして、イギリスのグリニッジ天文台が世界標準時の基準点となった。
ところが、実は1875年に、国際地理学会で基準子午線をフランスのパリ
の子午線にすることが決まったのだそうです。
いったんはパリに決まった。だけど、その決定に不服だったイギリスが
圧力をかけ、一度出た結論をひっくり返し、1884年にグリニッジを
基準子午線とすることが決まった。この「決定のくつがえし」は、
当時のイギリスの政治力の強さによるものらしい。
そして、この「ヨーロッパ中心の世界地図」を見ていただければ
分かる通り、イギリスのグリニッジを「世界標準時」とした以上、
グリニッジの真裏である「太平洋上」を「日付変更線」に設定
したのは当然の流れ。太平洋上だったため、日付変更線上には
いくつか島があるだけで、大陸をど真ん中でブチッと分断する
必要がなかった。
以上が、現時点での私の「仮説」です。
世界史はほとんど知識がゼロの私ですが、今回記事を書くにあたり
いろいろと調べて、歴史に詳しい人とも議論をすることができ、
とても楽しい時間を過ごすことができました。
私の専門である英語にも言えることなのですが、単なる丸暗記
では勉強が面白くありませんし、実力もつきません。真実を
自分の頭で発見しようとする姿勢、ちょっとした疑問を、自分で
リサーチして研究しようとする姿勢を持ち続けたいものです。
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