あなたにはユーモアのセンス(a sense of humor)はあるの?
私は面白い人としか友達にならないのよ。


・・・沈黙・・・


高校のカフェテリアで、初対面の女の子に言われた言葉でした。
そして、その女の子とは、以降二度と会話をすることはありませんでした。苦笑


一般的に、アメリカの高校は人間関係や男女関係という点において厳しい競争の場です。
スポーツができたり、かっこよかったり、あるいは会話が上手だったり等、何か「光るもの」がないと、彼女はおろか友達すらなかなかできません。
私のように「外国人で」「車がなく」「スポーツができなくてどんくさく」「話が面白いわけでもなく」「男子校出身で女の子との会話経験すらほとんどない」男の子がもてるわけがなかったのです。苦笑 


もちろん、日本の高校にも同じような厳しさはあると思うのですが、アメリカの方が独特の「社交性」や「強さ(体力的・精神的)」が求められるような気がするのです。そして、そのような社交性や強さを無理して追い求めることの反動で、多くの若者が苦しんでいました。多くの映画やドラマで描かれている「アメリカ流の成功者イメージ」が高校生にすら求められるのが、私の目に映った「アメリカ」でした。


その後、私は大人になっていく過程で、人生論や心理学関連の本を読み漁って「面白い人」「会話が上手な人」「もてる男」を目指すようになりました。その試みが成功したのかどうかは皆様の評価に任せますが(笑)、アメリカの高校生活で苦労したことの反動で、その後の「口数の多い」私が作られていったのだと、この文章を書くことで気づかされた次第です。