こちらのブログではすっかりごぶさたしてしまいました。以下GMAT SC(Sentence Correction)のミニレッスンをお届けします。
等位接続詞(特にand)とカンマ( , )の用法について整理します。「GMAT SC英語」(センコレ英語)に限定した議論です。「そもそも、英語においては・・・」とか「イギリス英語では・・・」等の、大上段に構えた解説も本当はしたいのですが(苦笑)、GMAT講師として割り切った解説を心がけます。
ルール(1) 原則として、andが2つの語句をつなぐ場合は、andの前にはカンマが不要。
John and Bob are friends. (名詞 and 名詞のケース)
Cathy played tennis and took a shower. (動詞句 and 動詞句のケース)
ルール(2) 原則として、andが3つ以上の語句をつなぐ場合は、andの前にカンマが必要。
Bob likes baseball, soccer, and volleyball. (名詞、名詞、and 名詞のケース)
Susan is smart, funny, and beautiful. (形容詞、形容詞、and 形容詞のケース)
以上2つが原則です。そして、以下の例外も併せて覚えておきましょう。
例外(1) 名詞の前に形容詞が複数並ぶ場合(形容詞の限定用法において、形容詞が複数並ぶ場合)は、andは使用せずにカンマ( , )で形容詞をつなぐのが基本。
David has a large, white car. (形容詞、形容詞 + 名詞)
Jennifer lives in a beautiful, small, wooden house. (形容詞、形容詞、形容詞 + 名詞)
もちろん、後に名詞を伴う用法(形容詞の叙述用法)においては、andを使って複数の形容詞をつなぐのが通例です。
David’s car is large and white.
例外(2) 2組の主節(SV)をつなぐ場合は、原則としてカンマが必要。
John lives in New York, and Cathy lives in Los Angeles.
そして、例外(2)は、butが2組の主節(SV)をつなぐ場合にも適用されます。
John likes coffee, but Cathy likes tea.
ただし、2つの名詞節(that SV)をandかbutでつなぐ場合はカンマが不要です。それに対して、2つの主節(SV)をandかbutでつなぐ場合はカンマが必要です。
たとえば
(A) S V1 that S V2, but that S V3.
(B) SV1 that SV2, but SV3.
注:V1, V2, V3は、それぞれ異なる述語動詞
という2つの選択肢においては、原則として(B)が正解になります。もし(A)の選択肢が望んでいる意味、すなわち2組の名詞節(that SV2とthat SV3)をつなげる意味なのであれば、but の前のカンマは不要です。
S V1 that S V2 but that S V3. (butの前にカンマなし)
逆に、(B)の選択肢は、SV1, but SV3と、2組の主節(SV)をつないだ並列構造になっていることが、カンマの用法から読み取れます。
たとえば、このカンマの論点は、Verbal Review 2nd edition
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のSC Q.35(p.250)を解く際に使用可能です。正解は(E)です。(C)や(D)を切る際には、文の意味や細かい語法を用いること(正統派の解法)も可能ですが、テクニック(邪道な解法)としては、「(C)と(D)は、butの前にカンマがあるので、2組のthat SVをつなげている可能性は低い」という切り方も可能です。
まとめると
(1) S V1 that S V2 and/but that S V3.
→ありえる。2組の名詞節(that S V2 と that S V3)をつないでいる。
(2) S V1 that S V2, and/but that S V3
→ありえる。2組の主節(S V1 と S V3)をつないでいる。
の両方が可能(ただし、意味は異なる)である一方、
(3) S V1 that S V2, and/but that S V3
→正解になる可能性は低い。2組のthat SV(名詞節)をつないでいるので、原則としてカンマが不要だから。
(4) S V1 that S V2 and/but S V3
→正解になる可能性は低い。2組のthat SV(名詞節)をつないでいるのであれば and/butの後のthatは省略しない方がベターであるし、逆にもし2組の主節(SV)をつないでいるのであれば、and/butの前にカンマがある方が好ましい。
という判断が可能です。上記の問題(Verbal Review 2nd edition SC Q.35)の(C)と(D)は、(3)のルールを適用してテクニック的に切ることが可能です。
GMAT SCの勉強においては、「意味や文法等のガチンコ勝負」と「邪道なテクニック」の両立が大切だと思います。私はSCの「正統派の指導」と「テクニック派の指導」の両方ができる、バランスの良い講師(笑)だと勝手に思っているのですが、業界を見渡すと、どうやら「邪道なテクニック」の部分が特徴的な講師になるのかもしれません。
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