私の妻は、元「国際線のスッチー」です。が、この事実を世間に公表(?)することを、妻は非常に嫌がります。このブログ記事も、妻の許可を得たうえでどうにか掲載にいたりました。(苦笑)


女性の間での「スッチーへの憧れ」、男性の間での「スッチーに対する妄想(笑)」には根強いものがあるようです。が、私はなぜか「スッチー」に対しての特別な想いはありませんでした。彼女の昔の制服が実家に残っているそうですが(笑)、私は見たことがありません。「元スッチー」というだけで、いろいろと変なことを聞かれることに妻はうんざりしているのです。うん、それはよく分かる。でも面白いから書かせて。(笑)


本題に入る前に、以下推薦図書です。あ、学習書ではなくて、ただの漫画です。(笑)


伝説のスッチー (SB文庫)


伝説のスッチー+α


これらの2冊の本は、愛らしいスッチー達のドジで笑える仕事ぶりを漫画にしたものです。妻によると、「実際にあった話」や「実際にありそうな話」ばかりだそうです。(笑)「左手に見えますのは私の実家です〜」とまじめにアナウンスしたスッチーさんが実際にいたらしい。(爆笑)私は、落ち込むとこの本を読んで大笑いをし、ストレスを発散しています。ご一読をおすすめします。


閑話休題。「スッチー」関連の英語レッスンです。(笑)


「スッチー」という言葉は、ご承知の通り、英語のstewardess(スチュワーデス)の省略形です。そして、最近はこのstewardessという言葉はあまり耳にしません。なぜか?


waitress(ウエイトレス)という言葉からも分かる通り、”-ess”という語尾は女性を意味します。waiterが男性でwaitressが女性、stewardが男性でstewardessが女性を意味するのが本来の用法です。そして、1960年代以後の女性解放運動の影響で、アメリカを中心に「男性だけ」あるいは「女性だけ」を指す職業名の使用は避けようとする機運が高まってきました。このような「言葉の使い方を注意をすることで差別をなくそう」とする考え方のことを、英語ではpolitical correctness(政治的な正しさ), 略してPC(ピーシー)と呼びます。PCといったらパソコンのことだと決めつけていたあなた、注意が必要ですヨ。妻に聞くと、stewardやstewardessという言葉を英語のネイティブスピーカーからは聞いたことがないそうです。英語圏では、「スッチー」のことはa flight attendant や a cabin attendant と呼びます。(どちらの用語を使うかは、航空会社によって異なるようです。)


PCという表現は、会話の中でも、Do you think the word “stewardess” is PC? (スチュワーデスという言葉は政治的に正しいと思いますか?)の様に使われます。


http://www.english-test.net/forum/ftopic8809.htmlの中に、「Stewardess was the original term, and flight attendant is the politically correct, gender-neutral term that was forced on people in the 1960s.」というコメントがありますのでご参考まで。”forced”(強要された)という表現を使っているので、この方はPCに反対なのでしょう。実は私も、基本的にはPCの考え方はあまり好きではありません。言葉をいじっても差別の実態は変わらないし、下手をするとただの「言葉狩り」になりかねないからです。


さて、1つ注意が必要なのはcrew(クルー)という単語の使い方です。crewは、staff(スタッフ)、family(家族)等の言葉と同様に「集合名詞」です。つまり、crewは乗組員全体のことを指し、staffは従業員全体のことを指します。したがって、以下のように1人の人間のことを


× I am a crew.
× I am a staff.
× I am a family.


と表現するのは間違いです(TOEFL Writing等でよく見かける間違いです!)ので注意してください。


crew, staff, family 等の集合名詞を使って1人の人間のことを無理やり表現するのであれば、


○ I am a crew member
○ I am a staff member.
○ I am a family member.


等のように、”member”という単語を足す必要があります。


以下が重要な「集合名詞」です。辞書等で研究してください。crew, staff, family, team(チーム), faculty(教職員達)、audience(聴衆) そして、GMAT SCにおいては、これらの集合名詞は原則として単数形の扱いです。(一般的には複数扱いをされる場合もあります。)つまり、GMAT SCに限定して考えれば、集合名詞を代名詞で受ける場合は、原則として"it"を使いますのでご注意ください。