ただいま、Affinity英語学院は春期休暇中です。4/20(水)より営業を再開します。本来は、溜めてしまった仕事をどんどんやっつける意気込みだったのですが、まだ元気がでません。毎日悲しみや自分の無力さに打ちひしがれ、このブログに文章を書くことで毎日をやりすごしています。「文章を書かないと心が落ち着かない、言葉を出さないと何もする気がおきない」と言ったら、妻より「便秘みたいなもんだね。」(苦笑)と言われて気が楽になりました。私の作業(メール連絡等)が遅れていることでご迷惑をおかけしている皆様、まことに申し訳ありません。もう少しだけ時間をください。ただいま、一応「休暇中」ではあるので、何卒お許しを・・「気持ちを切り替えて」「前向きに」等のお叱りも受けていますが、もうしばらく「悲しみ」や「不安な気持ち」にひたっている必要が私にはあるようなんです。あと2、3日時間をください。
先日どこかのブログかツイッターかで(ごめんなさい、コメントの所在を忘れました・・)、被災者の方の声として「頑張れだなんて簡単に言うな。それは家を失っていない人だから言えるんだ。おれたちはもう頑張る力は残っていないんだ」という主旨の書き込みを読み、深く共感しました。被災していない人が、被災者に「頑張れ」という言葉を使う際には注意が必要だと思います。
また、AERA最新号(2011.4/18 号)のp.60に掲載されている「不安になっていいんだ」という記事にも心を動かされました。不安な気持ちになることは正しい。「頑張れ」とか「ドンマイ」とか言うのはまだ早いんじゃないか。不安な気持ち、哀しみ、等を表現したり、泣いたり、世の中にぶちまけても良いのではないか。前向きな気持ちになったり、立ち上がって動き出すのは、もうしばらく後でも良いのではないか。
これ、実は難しい議論なんです。例外があるからです。被害が軽かった人や、心と体が強い人の場合は、「頑張って」という言葉によって元気になっていく場合もある。でも、一般的には、悲しみや不安などのネガティブな気持ちは、無理やり押し込めようとしたり否定したりするよりも、しっかりと「認めて」あげればよい。悲しみに打ちひしがれている自分を「認めて」元気に立ち上がる元気がでる時を「待て」ば良い。そして、周囲の人間(話を聞く人間)も、被災者の苦しみに対して、無理に解決法を与えない方がよい。「うん、うん」という相槌やノンバーバルの部分(顔の表情、等)で共感を表現し、ひたすら話を聴く。下手なアドバイスをせずに、ひたすら苦しみを傾聴する。そして、できる範囲で食べ物の支給等の具体的な支援をする。
私は昔、心理カウンセリングの仕事をしていました。カウンセラーは「頑張って」という言葉はあまり使わないはずです。たとえば、うつ病で苦しんでいる人に「頑張れ」という言葉は使わないほうが良い、というのは臨床心理学の常識です。むしろ、頑張りすぎてうつになった人が多いのです!
地震や津波の被災者と心の病気をかかえている人とを安易に比較することは危険ですが、ある程度の共通項はあると思います。「頑張って」と励ますよりも、「苦しみや悲しみを認めて、だまって話を聴いてあげること」の方が救いになると思います。「不安だ」「悲しい」などの気持ちを否定せずに、受け止めることが支援として大切になります。(グリーフセラピーの領域かと思います。)
さだまさしの夢供養というアルバムの中に「立ち止まった素描画(デッサン) 」という歌があります。
走り疲れたら お歩き
歩き疲れたら お休み
やがて 休み疲れたなら
どうせまた 走りたくなるさ
〜さだまさし「立ち止まった素描画(デッサン) 」より〜
頑張れない人は、頑張らずに悲しみに向かい合えばいい
じっとして、時がくるのは待てばいい
不安な気持ちを大切にしてじっとしていれば、そのうち立ち上がりたくなるさ
立ち上がったら、頑張って走り出せるかもしれない
頑張れる人も、頑張りすぎて疲れたら、休んでいい
頑張っていない人、休んでいることを、周りの人間がとがめない方がいい
頑張る余裕があるかないかは、本人にしかわからないのだから
〜こちらは風太郎の独り言〜
さだまさしさん、「生さだ」の特番(テレビ)で、「元気に明るく前向きにお届けします!」と宣言しておきながら、いろんなはがきを読んだり話を聴いているうちに、涙ぐむ回数が多かったですね。(苦笑)涙ぐみながら、名曲「いのちの理由」を歌ってくださった。でもね、さださん、さださんがご自身の悲しみややるせなさを表現されながらさださんが歌ったてくださったので、私は救われました。無理して明るい話をするだけでは、私は癒されていなかったと思います。また、東北の被災地の方々からの「東京の皆さん頑張って!」という主旨の手紙を読んでくださってありがとうございます。さださんも「結局東京の人が一番落ち込んでいるんだよなあ。何も支援ができないくて歯がゆい気持ちがあるから。」とおっしゃられていた。そんな気遣いができるさださんに感謝。また、自らが被災したのに「東京の皆さん頑張って!」と言える東北の方の強さと優しさ。感激しました。
頑張れる人が頑張ればいい。弱っている人に、安易に「頑張れ」と声をかけない方が良い。不安がっている人に「前向きになれ」と強制しない方がよい。不安な気持ち、悲しい気持ちを、受け止めてくれる人にぶつければいい。
合掌。そして、生かして頂いて ありがとう御座位ます。