ことのは心理研究所 その2:「ことのは心理研究所」という名前の由来

 

 

「今はとて我が身時雨にふりぬれば言の葉さへにうつろひにけり」(小野小町)


ことのは心理研究所の飯島哲也です。

 

今回は「ことのは心理研究所」という名前の由来を説明させてください。

 

「私は中学生の頃は国語の時間に「内職」で英単語を覚えていた(笑)ほど英語の勉強に熱心だったので漢字はあまり知りません」が私の定番の言い訳です。(苦笑)そんな言い訳をしなくてはいけないくらい、私は日本語の勉強や漢字の暗記をさぼってきました。

 

そんな私なので、以下の文章は「ネット上のリサーチ」に「自称哲学者(飯島)の解釈」を加えたものに過ぎません。ご寛容の程よろしくお願いいたします。

 

元々「言葉(ことば)」という単語の語源は「言(こと)」の「端(は)」だったようです。「は」は「年のは」「山のは」等の単語からも分かるように「最先端」や「はしっこ(端っこ)」を示す語なので、「ことば」は「言の端々」を意味することになります。

 

また、万葉集の時代には「言(こと)」と「事(こと)」が同じ意味合いで使われていたことがあるようです。「事」には「事の本質」という言葉からも分かる通り「真実」「真相」(プラトン的に言えば「イデア」)というニュアンスがあります。ところが、「事(真実)」を伝えるための「言(言葉)」は「移ろいゆく」ものであり限界がある。そこで、「言」に軽い意味を持たせようとして、あるいは「言」の限界をわきまえる姿勢を示すために「端(は)」という文字を加えて「言の端(ことのは)」あるいは「言の葉(ことのは)と表現するようになったのではないかと考える次第です。

 

「端(は)」と「葉(は)」についても、似た意味合いで使用されていたようです。「真実の端っこ」(「事」の「端」)という意味合いと、「季節とともに色合いを変える葉っぱ」「移ろいゆき最後には散ってしまう葉っぱ」という意味合いとが重なって、両方の表記(「言の端」と「言の葉」)が使われるようになったのではないでしょうか。

 

私は心理学の学びやセラピーの現場において「言葉」を大切にします。でも、「言葉」という「移ろいゆくもの」に頼りすぎることにも危険がある。「言葉を大切にしたい」でも「言葉と適切な距離感を保ちたい」、そんな想いをこめて「ことのは(言の葉)心理研究所」という名前をつけました。