インテグラル理論とティール組織

昨夜、台風による雨の中、インテグラル理論とティール組織についてのセミナーに参加してきました。私はこれらの理論についての本を全く読んだことが無いのに、たまたま予定が無かったので気まぐれで参加してきました。予測以上に意味不明の横文字が飛び交い混乱しました。ペアワークのお相手に迷惑をかけました。(苦笑)

でも、とても意義深い時間でした。私が多少は「まともに」本をを読んだのは、おおよそ1988年から1995年の間の時期です。大学の恩師である高尾利数先生の影響でケン・ウィルバーの思想に出会いました。トランスパーソナル心理学によって世の中が良い方向へ向かって行くんじゃないか、という期待感が私の中に生まれたのです。しかし、その後世の中は決して良くならなかった。私はリアルタイムでは経験していないのですが、学生運動がテロリズムや殺し合いに堕落していく時に漂った虚無感と挫折感を、仲間から「一人学生運動家」や「闘う言語学者」等と呼ばれることもあった私はおそらく味わっていたのです。お金も希望も生きていく気力も無くなり、臨床心理士か鍼灸師になりたいという夢を諦めて、私は生活のために英語を教える仕事を始めました。

まともな読書を止めてしまっていた私が「インテグラル理論」という言葉を耳にしたのは、確か二年か三年ほど前のトランスパーソナル学会における鈴木規夫先生のプレゼンテーションでした。どうやら、ケン・ウィルバーはその後インテグラル理論という言葉を使い出したらしい。トランスパーソナル心理学とインテグラル理論とは、基本的には同じような考え方らしい。そしてウィルバーは世直し運動のような大きな流れを作ろうとしたのだが、色々な理由で決して上手くは行かなかったらしい。今後の世直しを託してもよい思想なのだろうか?

また、NLP心理学やヒプノセラピーの仲間たちの中に、インテグラル理論やティール組織に興味をもつ人がちらほら出現してきていることも、今回のセミナーへ参加したきっかけの一つでした。

私は仕事を転々とする中で、遂に雇ってくれる人がいなくなり(苦笑)止むを得ず起業しました。酷い起業理由です。アントレの夢を語ってくれる私の受講生たちには特に恥ずかしい。そういう人は読まないで。(笑)そして、流れに乗っているうちに個人事業が法人化され、スタッフも増え、なぜだか私は経営者になっていました。不思議なものです。

経営について何もきちんと学んだことがない私は、心理学的な考え方、特にトランスパーソナル心理学の思想に基づいて会社経営を実践している自分にふと気付かされたのです。まあ、他に頼る思想がなかったんです。(笑)勘違い野郎だと叱られる覚悟で書くと、おそらくインテグラル理論とティール組織の考え方のいくらかは、すでに私の中に存在して、表現されることを待っています。

ひょっとして、インテグラル理論やティール組織はMBA教育に取り入れられているのでしょうか?だとしたらMBAに行くのも面白いかなあ。でも、五十路を越した私を入れてくれる学校なんてあるのかしら。テストの点数はまあまあだけど。(苦笑)