今日は、GMAT Sentence Correction の問題を解説します。
5つの選択肢の中から、「文法」「意味」「スタイル」の観点で
ベストなものを選んでください。


Despite the recent election of a woman to the office of prime minister,
the status of women in Pakistan is little changed from how it was
in the last century.


(A) is little changed from how it was
(B) is a little changed from how it was
(C) has changed little
(D) has changed little from how it has been
(E) is little changed from the way it was


SCには色々なメソッドがありますが、一般的な日本人受験者にお奨め
したいのが「Split探し」から始める解法です。


Split(スプリット)とは、選択肢の頭と尻尾の部分に頻繁に登場する、
選択肢の間の「違い」です。この問題では、頭に「is」という現在形と
「has changed」という現在完了形のSplitが存在します。このSplit探し
の作業をする際の目の動きは↓(縦)ですよね? 普通に→と、横向きに
英文をなんとなく読むだけでは、ネイティブスピーカーと対等には戦えません。
SCにおいては、「目の縦の動き」(Split意識)と「目の横の動き」
(普通の英文読解の方法)の両方の視点が重要です。


さて、この頭のSplitのどちらが良いかを判断する材料を、文中全体から
探しに行くのですが、残念ながら分かりやすいヒントは見当たりません。
他方、尻尾のSplit“it was”(過去形) と “it has been”(現在完了形)
には、直後に “in the last century”という大きなヒントが与えられています。
“the last…” と”the past… “という表現は現在完了形を伴います。


× The population doubled the last year.

○ The population has doubled the last year.


"last year"は「去年」(去年の1月から12月まで)という意味なので
過去形を伴いますが、"the last year"は「今この瞬間からさかのぼって
1年間、すなわち去年の10月から今年の9月(=今!)のことなので
意味的に現在完了形を伴います。


したがって、現在形を使っている(A)(B)(E)は斬ることができます。 
大切なのは、ここまでのプロセスにおいて、文の意味をとる必要が
ほとんどない、という点です。”the last…”を見たら現在完了形!
という知識さえあれば、(C)と(D)に絞り込むことができるわけです。
このように、SCにおいては、


①まず、文法知識やテクニックを駆使して、できるだけ意味をとらずに
 選択肢を絞り込む


②意味をとらないと解けない部分のみ、意味を考えて解く


のがコツです。まともに意味をとるだけでは厳しいですが、逆にテクニックに
溺れてもダメです。両者の間でバランスをとることが肝要です。

さて、問題解説に戻ります。文法理解(時制の知識)だけで(C)と(D)にまで
絞ることができました。 (C)だと、文末の”in the last century”が、
”has changed”という主節の動詞にかかっているのに対し、(D)では, 文末の
”in the last century”が、直前の”it has been”にかかっています。
どちらの方が意味的にベターでしょうか。


(D)だと、「”has been”の状態から”has changed”した」ということになって
しまう、つまり「現在完了の地点から現在完了の地点までににおける変化」
という摩訶不思議な意味になってしまいます。「変化した」、と言っている以上、
変化する前と後では時制がずれていなくてはならないですよね? 
過去→現在のように。


ということで、消去法で(C)を選ぶことができます。(C)が正解です。
(C)であれば、「過去100年間において、パキスタンの女性の地位は
ほとんど変わっていない」という正しい意味になります。



「Split 探し」と「テクニックと意味のバランスをとること」
の2つ意識を大切にしてSC対策を進めてください。




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