私は漫画家の小林よしのり氏のことが好きですし、尊敬しています。このようなことを書くだけで、友人を失う可能性がある(苦笑)ことは承知です。人生は短い。この世に一人でも良き理解者がいれば、私は生きていける。言うべきことは言っておきたい。


最近は余裕がなくて作品を読めていないのですが、小林氏が薬害エイズ問題、オウム真理教問題、戦争論等の渦中にいたときには、発言をずっと追いかけていました。


ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論―自分と社会をつなぐ回路


少し古い本ですが、小林氏の思想を理解する上でお奨めです。竹田青嗣と橋爪大三郎という、気鋭の学者達との鼎談を活字にまとめたものです。


言うまでもなく、私が「小林よしのりのことが好き」と発言したからと言って、彼の意見全てに賛成な訳ではありません。むしろ、結論としては賛成しかねるものも多いです。ですが、彼の体を張った生き方、欺瞞を許さない姿勢、自らの意見を修正することを厭わない柔軟性、等々が素晴らしいと思うのです。


さて、小林氏が戦争論を執筆した後、世間(特に左派の知識人たち)から猛烈なバッシングを浴びていました。「左派」というのは、いわゆる「リベラル派」という意味合いです。(この「リベラル」という言葉使いは、思想的に問題ありなのですが、とりあえず世間で流通している言葉使いとして使わせていただきます。)


新ゴーマニズム宣言スペシャル 戦争論


そんな折、私は某リベラル派知識人を囲む会に出席させていただきました。そして、私は話の流れで以下のような発言をしました。


「私は小林よしのりの漫画が好きなのですが・・・」


私がこの文を終える前に、この知識人は激昂しました。私は息をのみ、その後三分間くらいこの先生に大声で罵倒され続けたのです。戦争を経験していない奴に何が分かる!(小林氏が戦争世代ではないことを意味していたと思われる)等々。私は「好きなのですが・・・」の後に用意していた意見を述べる機会すら与えられず、うなだれるしかなかった。


このようなことは、他にも何回か経験しました。本来は「好き・嫌い」と「意見」は分離されるべきです。嫌いな人であっても、議題にあげることを否定してはならないし、嫌いな人の意見にも耳を傾けるべきである。少なくとも、知識人の間においては…


好きな人の意見を全肯定してもいけないし、嫌いな人の意見を全否定してもいけない。真実は二律背反という霧の奥にぼんやりとたゆたう。二律背反の片方の面だけに固着すると、真実は霧の奥へと消えていく。


合掌。生かしていただいてありがとうございます。