将棋世界 2015年 02月号 [雑誌]


糸谷竜王の話の続きです。


糸谷さんは、以下のリンク先にも書かれている通り、色々と物議を醸す人でもあるようです。
http://matome.naver.jp/odai/2141773562099299001
竜王戦の「2三歩事件」に代表されるように、マナー的にいかがなものかという批判があるようです。確かに、もし仮に私が対局相手だったら腹が立つと思います。でも、無責任な「一ファン」の立場としては、糸谷さんの将棋や思想は、やはり魅力的です。



将棋世界 2015年02月号 p.19より 糸谷竜王による発言の趣旨を、私なりに解釈してまとめたもの。


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哲学と将棋のかかわりについて。哲学的に考えることで、自分の先入観に気づくことができる。そして、先入観に気づくことは、将棋の指し手を考えるときにも有効だが、どちらかというと人生に立つスキルだと思う。
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5年以上前に、哲学について拙文を書かせていただきましたが
http://d.hatena.ne.jp/futaro1968/20090502
哲学を勉強している人の中には、必要以上に難しい言葉を使い、自分の知識量をひけらかしたいという「知的虚栄心」で言論活動をしている人が一定数存在するように感じます。でも、私の意見では、哲学の本来の目的は「知識量」を競わせるものではない。哲学の目的は(少なくともニーチェに代表される構造主義派の哲学においては)、私たちの思い込み、先入観、制限などを崩すことにある。哲学書を読んだことがない人であっても、日々の生活の中でで自分の「先入観」を疑うことが実践できていれば、その人は「哲学・者」と認定してもよいのではないか。


糸谷さんは、専門家として「先入観の崩し方」を研究しつつ、将棋のトッププロとしても先入観をはずして差し手を考える。まさに言行一致。素敵である。


合掌。生かしていただいてありがとうございます。