The Best of Bill Evans Live on Verve


私が最も愛するジャズピアニスト Bill Evans に "I Loves You Porgy" というナンバーがあります。(原曲を作ったのが誰なのかは分かりません。ごめんなさい。)最初にこの曲名を見たとき、私はたまげました。 "I"が主語なのに "Loves"と、3単現の"s"が付いているではないですか! 


何で "I"が主語なのに、3単現の"s"が付くのか・・・私なりに勝手に推理しました。 人が恋に落ちる時、自分の理性を超えたマグマの様な恋愛のエネルギーによって人は圧倒されます。 恋に落っこちると(英語でも "fall in love"と言いますね)好きな人のことを四六時中想い続け、夢の中をさまよっているような、自分でも訳の分からない心理状態におちいることがあります。 ぼーっと好きな人のことばかりを考えて、ため息ばかりが出たり、と。


そのような「恋に落ちた状態」においては、自分の理性によるコントロールが効かなくなることがあります。 それを神様の仕業と考えるか、自分の無意識の作用と考えるかは人によりますが、とにかく「自分の意志を超えた何者かによって、私はこの人と運命的な恋に落ちている」という感覚におそわれることがある。 そのような「自分の中の他者(神であれ、無意識であれ)」のことを "I" という言葉で表現するために、作者は3単現の"s"を使ったのではないか・・・


え、そんな恋の経験はないだって?? それはね、たぶんまだ本当の恋をしたことがないんだよ。 命短し恋せよ乙女!