教養とは何か?
難しい問いです。いろいろな解釈があります。
先日テレビで、爆笑問題の太田氏が
教養とは<引き戻す力>である。
という解説をしていました。同感です。
専門家は、ある一つの特定の分野のことばかり研究することで、
自分の専門分野以外のことが見えなくなったり、平凡な日々の
生活の振る舞いの重要さを軽視したり等、常識から乖離して
しまう危険性に直面します。その際に、常識の世界に引き戻して
くれるものが「常識」であったり、「哲学」であったり、
あるいは家族や友人との会話であったりするわけです。
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専門的知識人は言葉のほんの一面にとりつき、
その一面をとめどめないまでに引き延ばし、
ついにはその薄く拡大された虚構の平面を
リアリティと取り違える。
「教養=膨大に本を読むこと、大量の知識があること」
という、簡単な図式には語弊があると思います。
知識が人間を賢くすることもあるが、逆に知識が人を
駄目にすることもあるからです。
知は力なり……とんでもない!
きわめて多くの知識を身につけていても、少しも力を持っていない人もあるし、
逆になけなしの知識しかなくても最高の威力を振るう人もある。
ショーペンハウエル 「知性について」より