河合先生の面白さは、対談において一番良く引き出されていたのでは、
と感じます。仕事柄、聞き役にまわることが多い河合先生が、息の合う
対談の相手の前では饒舌になり、河合先生の個性が光ったのでは、と。




村上春樹、河合隼雄に会いにいく
河合 隼雄 村上 春樹
岩波書店 (1996/12)
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p.145


<河合>
人間の根本状態みたいなものはある程度普遍性をもって語られうるけれども、
その普遍性をどう生きるかというところで個性が出てくる。だから、ある人は
海に潜るよりないし、ある人は山に行くよりしかたないし、ある人は小説書く
よりしかたない。


<村上>
ある人は心理療法家になるよりしかたない。


<河合>
そうそう。ぼくはやっぱりこういう仕事をせざるをえなかったのだと思います。


私は「英語嫌い」「アメリカ嫌い」なのですが、何の因果か、長年に亘り
英語教師として生きてきました。ただ、面白いことに、最近は英語を教える
ことが、それなりに好きになってきた気がするのです。もちろん、英語なんて
どうでもよいのですが(笑)、英語学習を通じて、英語圏の文化との格闘を
通じて、若者達が魂の成長することを支援するのは、決して意味が薄いこと
ではない、と今は思えるようになっています。


河合先生の言い方だと、「私は英語教師という仕事をせざるをえなかった」
のだと、今は納得できるんです。



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